Salesforce Summer’25 リリースに関する情報をお届けします。
対象エディション
この変更は以下のエディションの Lightning Experience および Salesforce Classic に適用されます。
(すべての組織で使用できるわけではありません)
- Enterprise
- Performance
- Unlimited
- Developer
概要
今回の更新により、ロールと下位ユーザーと共有されたレコードへのアクセスはデフォルトで社内ユーザーのみに制限されます。
以前は、デジタルエクスペリエンスを有効にすると、ロールと下位ユーザーと共有されたレコードは、デフォルトで外部サイトユーザーにも利用可能になっていました。
レコードへのアクセスを社内ユーザーのみが利用できるようにセキュリティを確保するには、「外部ユーザーアクセスの変換」ウィザードを使用して手動で更新する必要がありました。
影響
今回の更新での変更点
- ロールと下位ユーザーに共有されたレコードを参照する領域および外部ユーザーがアクセス不可になる可能性があります
調査方法
この更新による影響有無は以下の方法で確認します。
- 設定 > デジタルエクスペリエンス > 設定 を開く
-
デジタルエクスペリエンスが「有効」になっているか確認する
- サンドボックスでこれらの変更をテストする
- 後で別のリリースアップデートを通じて本番環境でこの変更が有効になった際に必要な修正を特定する
対応方法
コード、カスタマイズ、アプリケーションを確認し、「ロール、内部 & ポータル下位ロール(roleAndSubordinates)」グループを参照しているものがないか確認
→内部ユーザーのみを参照する場合は「ロール & 内部下位ロール(roleAndSubordinatesInternal)」、内部ユーザーと外部ユーザーの両方を参照する場合は「ロール、内部 & ポータル下位ロール(roleAndSubordinates)」を使用します
- 設定→ロールから確認
[ロール、内部 & ポータル下位ロール]が設定されている。
- Apex コード:
[ロール & 内部下位ロール]に参照を制限する場合は、[ロール、内部 & ポータル下位ロール]を参照する Apex コードを更新する必要があります。 - 共有ルール:
[ロール、内部 & ポータル下位ロール]項目を対象とする既存の共有ルールがある場合、Summer’24 から Winter’25 の組織にこれらの共有ルールをリリースするときにエラーが発生しないように、その項目の対象が[ロール & 内部下位ロール]である必要があります。 - 承認プロセス:
最初の申請者の [ロール & 下位ロール] グループを選択した場合、「該当する承認プロセスが見つかりません」と表示されます。
更新された [ロール & 内部下位ロール] の値を使用できない場合は、まず公開グループを作成し、該当する [ロール & 内部下位ロール] グループを追加します。
次に、承認プロセスでこの公開グループを選択します。詳細は、関連する既知の問題を参照してください。
更新する必要がある参照については、影響を受ける可能性のある次の領域を確認してください。
- Apexコード
- API統合
- カスタムレポート
- フロー
- 数式項目
- Lightningコンポーネント
- SOQLクエリ
- 検証ルール
- Visualforceページ
- ワークフロールール
参考サイトURL
- セキュアロールの動作を有効にし、サンドボックス内の共有グループ参照を更新
- ナレッジ記事:「役割と部下」グループ(roleAndSubordinates)の変更に備える
- セキュア ロールの動作を有効にし、本番環境での共有グループ参照を更新する (リリース更新)
Salesforce Summer’25 リリースに関する情報をお届けします。
対象エディション
この変更は以下のエディションの Lightning Experience および Salesforce Classic に適用されます。
(すべての組織で使用できるわけではありません)
- Group
- Essentials
- Professional
- Enterprise
- Performance
- Unlimited
- Developer
概要
本番組織とデモ組織における、従来のSalesforceホスト名(非拡張ドメイン)から新しいホスト名への一時的なリダイレクトが終了します。
影響
従来のSalesforceホスト名(非拡張ドメイン)を使用したURLでのアクセスが不可能になります。
調査方法
この更新による影響有無は以下の方法で確認します。
- 設定 > 私のドメイン を開く
-
[現在の [私のドメイン] の URL] 項目を確認する
⇒「拡張ドメインあり」という語句が含まれている場合は、拡張ドメインが有効化されているため対応不要です
対応方法
方針A
拡張ドメインを有効化する
- 設定 > 私のドメイン を開く
- [私のドメイン] の詳細 の編集からドメインの情報を指定して保存する
- 公開されている対外リンクを更新してテストする
方針B
従来のリダイレクトを維持する(暫定対応)
- 設定 > 私のドメイン を開く
- [私のドメイン]の設定 の編集で、[Summer’25 のアップグレード時に従来のリダイレクトを維持する] を選択して保存する
参考サイトURL
Salesforce Summer’25 リリースに関する情報をお届けします。
対象エディション
この変更は、LightningExperience、SalesforceClassic、およびDatabase.comを除くすべてのエディションのSalesforceモバイルアプリケーションのすべてのバージョンに適用されます。
概要
まだICUロケール形式に切り替えていない、Apexクラス、Apexトリガー、VisualforceページがAPIバージョン45以上を使用している組織は、OracleのJavaDevelopmentKit(JDK)ロケール形式がInternationalComponentsforUnicode(ICU)ロケール形式へ変更され、世界のICU準拠アプリケーションと統合できるようになります。
ロケールとは、日付、時刻、通貨、住所、名前、数値、週の開始曜日の形式を制御するものです。
影響
Summer’25では、まだICUロケール形式に切り替えていない、かつApexクラス、Apexトリガー、およびVisualforceページでAPIバージョン45以上を使用している組織でこの更新は有効になります。
※Winter ’20以降に作成されたSalesforce組織では、ICUロケール形式がデフォルトで有効になっています。
※まだICUロケール形式に切り替えていない、かつバージョンが45未満のApexクラス、Apexトリガー、Visualforceページが組織に含まれている場合、ロケール形式はICUに変更されません。
この場合、引き続きJDKロケール形式が使用されますが、SalesforceはICUロケール形式への変更を推奨しています。自動適用がされなかった場合も手動でバージョンが足りているもののみバージョンアップできます。
自動適用がされなかった場合メールが通知されます。
調査方法
組織でICUまたはJDKのロケール形式が使用されているかどうかは、以下の方法で確認できます。
- 「設定」>「クイック検索」>「組織情報」と入力する。
- 「組織情報」ページで「ロケール形式」項目を確認する。
Winter’20より前に作成された組織では、監査証跡を用いてICUロケール形式に変更したかどうかを確認することもできます。
インスタンスのメジャーリリースアップグレードの日付は、以下の方法で確認できます。
- TrustStatus(https://status.salesforce.com/)にアクセスします。
- インスタンスを検索し、メンテナンスタブをクリックします。
対応方法
JDKからICUロケール形式への移行は次のような手順で行います。
- 組織が使用している現在のロケールを確認し、どのような影響を受けるかを確認します。
- Apexクラス、Apexトリガー、Visualforceページのバージョンを45.0以上へバージョンアップします。
- 新しいバージョンでもパッケージやカスタムコードが動作するよう、コードを修正し、テストします。
- ICUロケール形式へ変更し、動作を確認します。
組織が使用している現在のロケールを確認し、どのような影響を受けるかを確認します。
開発コンソールなどで「SELECT toLabel(LocaleSidKey) LocaleName, LocaleSidKey, Count(id) UserCount FROM User where IsActive=true GROUP BY LocaleSidKey」を実行します。
以下のサイトで組織のロケールへの影響を確認します。
JDK と ICU ロケール形式の相違点
Apexクラス、Apexトリガー、Visualforceページのバージョンを45.0以上へバージョンアップします。
「設定」>「Apexクラス」もしくは「Apexトリガー」もしくは「Visualforceページ」と検索し、それぞれのページで現在のバージョンを確認します。
現在のバージョンが45.0未満のリソースがあれば、「編集」>「バージョン設定」からAPIバージョンを45.0以上へ変更します。
新しいバージョンでもパッケージやカスタムコードが動作するよう、コードを修正し、テストします。
テストでは、以下のような観点が挙げられます
- パッケージプロバイダーに問合せ、パッケージがICUロケール形式と互換性があるかの確認
- 標準メソッドなどを使用した、ロケールに依存しないメソッド作成
- month()などの組み込みメソッドを使用した、日付などの抽出
- データの送受信時や処理時の、ロケールに依存しない形式の仕様
ICUロケール形式へ変更し、動作を確認します。
以下の方法で、この更新を手動で行うことができます。
- 「設定」>「クイック検索」>「リリース更新」と入力する。
- 「ICUロケール形式を有効化」のリリース更新で、「開始」をクリックします。
- 「ステップバイステップガイドに従って、この変更の影響を理解して最小限に抑える」セクションで、「テスト実行を有効化」をクリックします。
また、ICUロケール形式が有効になった後、JDKロケール形式へ戻したい場合は、以下の手順で、更新を無効にすることができます。
(SalesforceはICUロケール形式への変更を推奨しています。)
- 「設定」>「ユーザインターフェース」から、「en_CA の ICU 形式を有効にする」チェックボックスをオフにする。
-
「設定」>「リリース更新」から、「テスト実行を無効化する」を押下する。
参考サイトURL
- ICUロケール形式を有効にする(リリース更新)
- ICUロケール形式の有効化
- ICUロケール形式の設定有効化について
- カスタムコードおよびロケール形式の変更
- JDK ロケール形式の廃止と ICU ロケール形式の有効化リリース更新
- 組織が ICU または JDK ロケール形式を使用しているかどうかを確認する
- ICUロケール形式を採用する
- JDK と ICU ロケール形式の違い
Salesforce Summer’25 リリースに関する情報をお届けします。
対象エディション
この変更は、以下のエディションの Lightning ExperienceおよびSalesforce Classic を通じてアクセスされるAura サイトに適用されます。
- Enterprise
- Performance
- Unlimited
- Developer
概要
Aura サイトのレコードページで Lightning Web コンポーネントを使用する設定を行っている場合、「レコード作成フォーム」、「レコードバナー」、「レコード詳細」コンポーネントのスタイルが若干変更されます。
影響
各コンポーネントで以下の変更があります。
- ボタンは中央揃えになりました。以前は右揃えでした。
- レコードウィンドウ内のテキストはタイトルに比べてインデントされています。以前は、テキストとタイトルは互いに揃えられていました。
- フォームに必須項目が含まれている場合、アスタリスクが必須項目であることを示す説明が表示されるようになりました。
-
必須フィールドが空白のままになっている場合、必須フィールドの周囲に赤い枠線が表示され、入力を促すインライン エラー メッセージが表示されます。
-
エラーメッセージはレコードフォームの下部に表示されます。以前はエラーは上部に表示されていました。
-
フィールドフォーカスは黄色の背景で強調表示されます。
- ページ ヘッダーは上部に固定されるのではなく、ページとともにスクロールします。
- トースト通知は Salesforce ID を参照できます。
- さまざまなフィールドの横に新しいアイコンが表示され、マウスオーバーしなくても特定のアイコンは表示されたままになります。
-
以前は含まれていなかったさまざまな場所にリンクが表示されます。
調査方法
この更新による影響有無は以下の方法で確認します。
- 設定 > デジタルエクスペリエンス > 設定 を開く
- 「Aura サイトのレコードページで Lightning Web コンポーネントを使用」が選択されているか確認する
⇒選択されている場合は影響あり - Auraサイトで、上記の 影響 に記載されている各コンポーネントをテストする
対応方法
Auraサイトの対象箇所の設定変更や、HTMLやCSSファイル等のソース修正を行いテストする
参考サイトURL
Salesforce Summer’25 リリースに関する情報をお届けします。
対象エディション
この変更は、すべてのエディションの Lightning Experience および Salesforce Classic (すべての組織で使用できるわけではありません) に適用されます。
概要
Salesforce は、定期的かつ継続的なメンテナンスの一環として、SAML フレームワークをアップグレードします。
シングルサインオン (SSO) やシングルログアウトなど、SAML を使用するすべての機能に影響する可能性があります。
※SAML:SSO等を実現する認証規格のことで、認証情報を提供するIDプロバイダーと、サービスを提供するサービスプロバイダーの間で認証を行う
影響
以下の機能で不具合が発生する可能性があります。
- ユーザーが Okta などのサードパーティ ID プロバイダーを介して Salesforce にログインする SAML SSO(Salesforceがサービスプロバイダー)
- ユーザーが Salesforce を介してサードパーティアプリケーションにログインする SAML SSO(SalesforceがIDプロバイダー)
- Salesforce 組織または Experience Cloud サイト間の SAML SSO
- すべての SAML シングルログアウト設定
調査方法
この更新による影響有無は以下の方法で確認します。
- 設定 > アプリケーションマネージャー を開く
-
確認対象のアプリケーションの設定で、「SAML の有効化」が選択されているか確認する
- SAMLが有効化されているアプリケーションに対して、上記の 影響 で挙げた SAML SSO や SAML シングルログアウトの機能をテストする
対応方法
影響が発生する場合、以下の方法で対応します。
- 設定 > ID プロバイダーイベントログ を開いて、エラーメッセージの内容を確認する
- サービスプロバイダー側のログを確認する
-
SAML-tracer等のツールでSAMLでの認証時の値を確認する
- Salesforce カスタマーサポートに問い合わせる
参考サイトURL
Salesforce Summer’25 リリースに関する情報をお届けします。
対象エディション
この変更は以下のエディションに適用されます。
Sandbox組織やスクラッチ組織を含む、API対応のすべての組織に影響します。
- Professional (APIアクセス有効)
- Enterprise
- Performance
- Unlimited
- Developer
概要
SalesforcePlatformAPIバージョン21.0から30.0の廃止がSummer’25に延期され、廃止後は対象のAPIバージョンはサポートが対象外となり、Summer’25以降利用できなくなります。
影響
Summer’23に予定されていた、SalesforcePlatformAPIバージョン21.0から30.0の廃止がSummer’25に延期されました。
廃止後、以下のAPIバージョンはサポート対象外となり、Summer’25以降は利用できなくなります。
対象のAPIバージョンを使用しているアプリケーションは中断され、リクエストは失敗し、エンドポイントが無効化されていることを示すエラーメッセージが表示されます。
対象のAPIバージョン
- バルクAPI:21.0、22.0、23.0、24.0、25.0、26.0、27.0、28.0、29.0、30.0
- SOAP API:21.0、22.0、23.0、24.0、25.0、26.0、27.0、28.0、29.0、30.0
- REST API:v21.0、v22.0、v23.0、v24.0、v25.0、v26.0、v27.0、v28.0、v29.0、v30.0
影響のある製品など
- データローダー
- WebServiceConnector
- AJAXToolkitを介して行われるAPIコールが埋め込まれたVisualforceページ、カスタムボタン、Sコントロール
- SForceOfficeToolkitCOMインターフェースを介して行われるAPIコール
- Force.com Toolkit for PHP
- アウトバウンドメッセージによって生成されたペイロードから呼び出されたSOAP API
- 最新ではないAPIバージョンを使用している接続アプリケーション
エラーメッセージの例
- バルクAPI:「410:GONE」
- SOAP API:「500:UNSUPPORTED_API_VERSION」
- REST API:「400:InvalidVersion」
調査方法
廃止されるAPIを使用しているアプリケーションは以下の手順で特定できます。
-
SalesforceCLIを利用し、EventLogFileオブジェクトに対してSOQLクエリを実行し、イベントログファイルを入手します。
sf data query -q "SELECT Id, LogFile, EventType, CreatedDate FROM EventLogFile WHERE EventType IN ('ApiTotalUsage')" -o {your-username}
-
各結果で、クエリ結果のエンドポイントにRESTAPI要求を実行し、イベントログデータを取得します。
/services/data/v58.0/sobjects/EventLogFile/0AT3i000005vXpWGAU/LogFile
- レスポンスボディをアプリケーションに張り付けます。
- 各CSVファイルでエンドポイントへの要求に使用されているAPIバージョンが30以前であるかどうかを確認します。
-
バージョン30.0以前を使用するインテグレーションとクライアントについては、イベントログデータの主要項目で提供されるヒントに従って、従来のAPIコールのソースを特定します。
CLIENT_NAME, CONNECTED_APP_ID, ENTITY_NAME, USER_ID
上記の確認方法の他にSalesforce Event Log File Browserを使った方法などがあります。
「設定」>「セキュリティ」>「イベントモニタリング」>「イベントログブラウザー」に移動し、過去24時間のイベントログファイルをCSVファイルとしてダウンロードすると、APIイベントを確認できます。
対応方法
全てのアプリケーションを現在のAPIバージョンで動作するように、修正またはアップグレードします。
具体的に以下のような対応方法があります。
- データローダーは、バージョンアップされた最新版をインストールし直す。
- サポートされている API を反映するように、connection.js ファイルへの JavaScript 参照のパスのバージョン参照を更新する。(例:/soap/ajax/58.0/connection.js)
- 代替アプリケーションのインストールを検討する。
以下のサイト等でその他詳細な対応方法を確認できます。
また、これらのAPIバージョンの廃止を強制的に適用することができます。
「設定」>「リリース更新」>「SalesforceプラットフォームAPIバージョン21.0から30.0の廃止」から、「開始する」をクリックすることで、強制的に適用することができます。
廃止の強制を無効にする際は、「テスト実行を無効化する」をクリックします。
参考サイトURL
- Salesforce プラットフォーム API バージョン 21.0 から 30.0 の廃止 (リリース更新)
- Salesforce Platform API バージョン 21.0 ~ 30.0 の廃止
- Salesforce Platform API バージョン 21.0 ~ 30.0 の廃止(Salesforce サクセスナビ)