Dreamforce 2025 速報!Salesforce 最前線の新発表とは?

はろー!どうも、朝サーモンが日課のシステムエンジニア、エール・サフです。本記事では、Salesforceの最前線で発表された最新情報を「Dreamforce 2025」の速報として現地からお届けします。
今年もこの季節がやってきました!世界中のSalesforce Trailblazer (トレイルブレイザー) たちが、米国サンフランシスコに集結する年に一度の祭典「Dreamforce」。AIの進化がビジネスの常識を塗り替え続ける中、開催前から世界中の注目を集めていた「Dreamforce 2025」がついに開幕しました。
私たちの働き方、顧客との関わり方、そしてビジネスの未来は、どのように変わっていくのでしょうか?
本記事では、現地から届いたばかりの熱気あふれる情報を元に、各Keynoteで発表された最新のイノベーションや、誰もが見逃せない重要アップデートを速報でお届けします。Salesforceが描く未来の設計図を、誰よりも早く、そして深く理解するための最前線レポートです。さあ、AIとデータが織りなす顧客体験の新たな地平を、共に覗いてみましょう。
1. Dreamforce 2025の最大の焦点!なぜ今、SalesforceのAI戦略がビジネス界を揺るがすのか?
Dreamforceとは?
Dreamforce:世界最大級のITイベントとしての位置づけと影響力
Salesforceが年次で開催する「Dreamforce」(ドリームフォース) は、単なる一企業の製品発表会にとどまらず、IT業界全体のトレンドを形成し、未来のビジョンを提示する世界最大級のプラットフォームとしての地位を確立しています。サンフランシスコで数日間にわたって開催されるこのイベントは、世界中から開発者、ビジネスリーダー、イノベーターが集結し、テクノロジーがもたらす変革を体感する一大イベントです。その規模、内容、そして影響力において、DreamforceはIT業界において特異な存在感を放っています。
世界屈指の規模と熱気を誇る「学びと交流の祭典」
Dreamforceの最大の特徴の一つは、その圧倒的な規模にあります。17万人以上が参加した年や1,500以上のセッションが開催された年もあったなど、世界で最も多くの人々を惹きつけるITイベントの一つです。
IT業界のトレンドを牽引する影響力
Dreamforceは、IT業界、特にビジネスクラウドアプリケーションの領域におけるトレンドの発信源として極めて重要な役割を担っています。
1. AIトランスフォーメーションの主導
近年のDreamforceは、Salesforceが「世界最大のAIイベント」と位置づけるように、企業がどのようにAIを活用して顧客との関係を深化させ、業務を効率化できるかの具体的なビジョンを示しています。
2. データ活用の未来を提示
顧客データを統合し、リアルタイムで活用するための「Data Cloud」も、Dreamforceにおける中心的なテーマです。データ活用の新たな地平を切り拓く発表は、多くの企業にとって自社のデータ戦略を見直すきっかけとなっています。
3. 企業のDXの指針
Dreamforceで発表される新機能や成功事例は、世界中の企業が自社のDXを推進する上での重要な指針となります。参加企業は、同業他社の先進的な取り組みに触れることで、自社に持ち帰るべき革新的なアイデアやソリューションのヒントを得ることができます。
▲Dreamforce: 世界屈指の規模のITイベント
今年のメインメッセージはAgentic Enterprise!Salesforceが描くAI中心の未来
今年のDreamforceを席巻したのは「Agentic Enterprise」という一つのキーワードです。もはやAgentforceは単なる追加機能ではなく、信頼を基盤にビジネス体験の全てを支える核となりました。その象徴が、営業・サービス・マーケティングなど全ての製品をAI中心で再構築する新基盤「Agentforce 360 Platform」です。いままでの「Customer 360」が企業内の顧客情報を統合することに注視していたこととは対照的に、「Agentforce 360 Platform」は企業のあらゆる業務を自動化し、スケールさせるための「デジタルワーカー(AIエージェント)」そのものを作り、運用するためのツール群であると説明されています。さらに、自然言語で誰でもアプリ開発が可能になる革命的な機能「Agentforce Vibes」やAIのふるまいをより厳密に制御できる機能「Agent Script」も登場。SalesforceがAIネイティブ企業へと完全に生まれ変わったことを世界に宣言する、衝撃的な発表の連続でした。
▲Main Keynoteでも「Agentic Enterprise」という言葉が何度も登場した。
なぜ、今「Dreamforce」の内容が見逃せないのか?
今回のDreamforceでは、Dell、FedEx、Pepsiといった世界のトップ企業が、どのようにビジネスを「再発明」しているかが具体的に示されました。例えば、DellはAgentforce Supply Chainの導入で、数ヶ月かかっていたサプライヤーのオンボーディングをわずか数分に短縮。William SonomaはAIシェフ「Olive」がお客様一人ひとりに合わせたレシピを提案し、全く新しい顧客体験を創出しています。
そして、この変革の主役は一部の専門家だけではありません。ビジネスの現場で誰もがAIを使いこなし、業務を変革できるツールが発表されました。自然言語で指示するだけでAgentforceや業務アプリケーションを驚くべきスピードで構築できる「Agentforce Builder」。データを「見て理解する」だけでなく、次に何をすべきか具体的な「アクション」までをシームレスに提案する「Tableau Pulse」。これらは、あなたのアイデアを即座に形にする「スーパーパワー」と言えるでしょう。
こうした強力なAI活用を支えるのが、Salesforceが最も重視する「信頼」の基盤です。OpenAIやAnthropicといった業界のリーダーと強力なパートナーシップを締結し、お客様が安心してAIを活用できる環境を提供します。
AIがもたらす変革の波は、もうそこまで来ています。この興奮と未来像をぜひご確認ください。あなたの会社のビジネスを次のステージへと導くヒントがあります。
▲「信頼」の基盤に支えられたAIがもたらす変革の波はあなたの会社のビジネスの未来に直結する
2. 【超速報】Salesforceの未来を形作る3つの注目ポイント!
Data 360 クリーンルーム
Data Cloud Keynote (15:55~)でData 360 クリーンルームというものが発表されました。Data 360 クリーンルームは、企業がパートナー企業と安全にデータを連携させるための新しい機能です。プライバシーを保護しながらお互いの顧客データを活用し、これまで見つけられなかった新たな顧客層を発見して、共同でマーケティング施策などを行うことを目的としています。
Agent Script
Main Keynote (33:23~)でAgent Scriptというものが発表されました。「まずは『あなたは誰ですか?』と聞いてお客様を特定する、お客様を特定できたら過去の購入履歴を取得してきて何を買ったかを知る、おすすめの商品を表示する」などのように、どんなお客様であっても必ずこのプロセスで処理をしてほしいという内容を指定し、エージェントのふるまいをより厳密に制御することができるようになります。また、このプロセス自体は自然言語でこうしたいという内容を入力することで作成することができます。
MuleSoft Agent Fabric
MuleSoft KeynoteでMuleSoft Agent Fabricというものが発表されました。MuleSoft用ではないSalesforceの他の場所用に作成したエージェントも含め、カタログ化、ガバナンス、オーケストレーション、可視化を実現し、APIとAIを一か所で管理できるようになります。
注目の情報は他にも…!
自然言語でLWCなどの開発が可能な「Agentforce Vibes」(エージェントフォースバイブス)、AI業界の将来予想で例えば買い手が持つ購買エージェントが、複数のサプライヤーエージェントに最適な条件を問い合わせ、自動で交渉・発注するためにエージェント同士で対話する未来が来るだろうというA2A、フィールドサービスにおいてロボットを派遣し、人とAgentforceとロボットの稼働を一元管理できるようにする変化など様々な注目の情報が発表されています。
Keynoteなど一部のセッションはSalesforce+からも見ることができますので確認してみてください。
Saleforce+
3. Agentforceであなたの部門の顧客体験はこう変わる
【営業部門編】
Agentforceは営業担当者に超優秀な「AIアシスタント」を配属するようなものになります。Agentforceは見込み客の優良度を測りながら優良度が高い見込み客に対して商談を設定します。さらに、営業担当者に顧客の最新ニュース、過去の問い合わせ履歴、さらにはData 360 クリーンルームで得られたパートナー企業との接点情報までを瞬時に収集・要約して提示します。営業担当者は優良度が高い見込み客とのミーティングが設定された状態から、移動中にそのインサイトを確認するだけで、完璧な準備を整えられます。商談中は、顧客の発言内容をリアルタイムで分析し、「このタイミングでこの資料を提示すべき」「過去の成功事例に基づくと、この価格プランが最適です」といった最適な次の一手を提案してくれます。さらに、商談後の議事録作成やSalesforceへの情報入力はAIが全自動で実行。営業担当者は、最も重要な「顧客との対話」に時間を注げるようになり、質の高い提案で顧客の信頼を勝ち取ることができます。
【マーケティング部門編】
新機能「Data 360 クリーンルーム」を使えば、パートナー企業とプライバシーを保護しながらデータを共有し、「自社の製品Aを購入した顧客は、パートナーB社で商品Cにも関心が高い」といった、これまで決して見えなかった顧客像を明らかにできます。この深いインサイトに基づき、Agentforceが顧客一人ひとりの興味や状況に合わせて、パーソナライズされたメッセージやオファーを自動で生成・配信。顧客が「欲しい」と思うまさにその瞬間に、最高の提案を届けることが可能になります。マーケターは「キャンペーン案を考えて」と自然言語で指示するだけで、Agentforceがターゲット選定からクリエイティブ制作、配信までをサポートします。
【サポート部門編】
Agentforceは、顧客サポートを「問題が起きてから対応する」ものから、「問題が起きる前に解決する」プロアクティブな体験へと進化させます。Agentforceは24時間365日、顧客からの問い合わせに即座に対応。その際、「Agent Script」によってあらかじめ定義された承認済みのプロセスに沿って、常に正確で一貫性のある回答を提供します。これにより、顧客は待たされることなく、いつでも安心して問題を解決できます。
さらに、AIは顧客の利用状況を常に監視し、問題が発生しそうな兆候を検知すると、問題が深刻化する前にAgentforceから解決策を提案。オペレーターは、AIが一次対応した後の、より複雑で共感力が求められる対応に集中できます。AIの提案を受けながら対話することで、オペレーターは迅速かつ的確に顧客をサポートし、解決までの時間を大幅に短縮。人とAIが協調することで、顧客満足度を最大化し、ロイヤルティを高める次世代のサポート体験が実現します。
▲Agentforceが各部門で、最適な提案、パーソナライズされた顧客コミュニケーション、そして効率的な顧客対応を実現する
4. まとめ:Dreamforce 2025が示した羅針盤を手に、AI時代のビジネスをリードしよう
本記事では「Dreamforce 2025 速報!Salesforce 最前線の新発表とは?」と題して解説してきました。
なぜ今SalesforceのAI戦略が重要なのか、その背景をご理解いただけたと思います。具体的な新機能と、それがもたらす顧客体験の変化についても解説しました。今回の発表は、AI活用が一部の先進的な企業だけのものではなくなったことを示しています。この変化の波に乗り遅れないためにも、まずは自社のデータ活用状況の棚卸しから始めてみてはいかがでしょうか。
弊社では、Salesforceの最新機能を活用したDX推進支援を行っております。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
※本記事の内容は、セッションを聴講した筆者の理解に基づいています。そのため、内容に誤りが含まれている可能性がありますことをご了承ください。
開催前日の記事はこちらです。
Dreamforce 2025参加レポート~Day0