情報共有のメリット・デメリットとは?実体験と使い方のコツ
入社してから早いもので20年以上が経過しました。入社当時の弊社の情報共有といえば、主に「紙」と「メール」。重要な連絡はプリントアウトして配るか、回覧板のように紙を回して上長に提出するのが当たり前でした。
一時期は、外出先にノートPCを持ち出すことすらできなかった時代もあります。その頃の伝達方法は、電話をするか、帰社してから確認するしかありませんでした。また、休暇申請一つとっても、紙の申請書に印鑑をもらうために上司の席へ行ったり、外出先から戻ってからでないと手続きが進まなかったりと、今では考えられないほど時間を使っていたものです。
また、開発現場にいた頃によく利用していたコミュニケーションツールに「IP Messenger(アイピーメッセンジャー)」があります。1対1の会話はもちろん、複数人に一斉にメッセージを送ることもでき、相手がメッセージを開封した際に通知が届く機能は、当時の私たちにとって非常に重宝するものでした。今では使っている方や知っている方も少ないかもしれませんが、当時を知る方には「懐かしい!」と感じていただけるのではないでしょうか。当時はその「開封通知」を見て相手が読んだことを確認し、一安心していたものですが、現在はそれがSlackへと代わり、よりオープンで活発な意見交換ができる場へと進化を遂げました。
時代と共にビジネスのスピードは加速し、今ではSlackやSalesforce、そして自社ツールである「KnowhowBase(ノウハウベース)」を使い分けるスタイルへと劇的に変化しました。長年、開発・営業・統括と異なる現場を歩んできた私が実感しているのは、情報共有は単なる『伝達』にとどまらず、組織を強くするための『戦略』であるという点です。
情報の送り手と受け手の認識がズレたままでは、せっかくの共有も本来の力を発揮できません。本記事では、私がこれまでのキャリアで体感した情報共有のメリット・デメリット、そして組織を活性化させるための使い方のコツを詳しく解説します。
情報共有を徹底して得られる3つの大きなメリット
情報共有がスムーズに行われている組織は、個人の経験がチームの知恵へと変わる『ボトムアップ』の力と、会社の方針が現場のメンバー一人ひとりまで浸透する『トップダウン』の力が合わさり、全員が迷いなく同じ方向へ進めます。具体的にどのような利点があるのか、弊社の事例を交えてご紹介します。

1. 意思決定のスピードアップ
かつては会議を開かなければ進まなかった決定事項も、今はSlackのオープンなチャンネルで共有するだけで完結するケースが増えました 。関係者全員がリアルタイムで状況を把握できるため、「確認待ち」の時間が大幅に削減され、お客様へのレスポンスも劇的に速くなりました。
以前は週に一度の営業会議のために、各自がExcel(エクセル)を更新する準備だけで多くの時間を費やしていました 。今はSalesforceのダッシュボードを開くだけで、会議が始まる瞬間には最新の情報が共有されています 。この「準備時間」を大幅に短縮できた効果は、組織全体にとって計り知れないほどプラスになっています。
2. 情報の可視化と透明化
情報共有がスムーズになると、組織には情報の「可視化」と「透明化」という2つの大きな変化が生まれます。 業務がブラックボックス化せず、誰の目にも明らかな状態になることで、組織全体の納得感と業務の質は劇的に高まります。
「点」から「面」へ広がる情報の共有
以前は、情報が個人や部門のメール、Excelファイルの中に閉じ込められていました。 「あの情報の最新版はどこ?」と、必要な情報を探すためだけに多くの時間を費やしていたのです。
現在は、複数のツールを組み合わせることで、情報が驚くほど透明化されています。
・「可視化」:
Salesforce 見えない数値や案件の進捗状況をダッシュボードでグラフ化し、瞬時に把握できる状態。
・「透明化(オープン化)」:
SlackやKnowhowBase 誰でも気軽に発信でき、会社の動きを肌で感じられる状態。
現場の知識や経験が着実に蓄積され、誰もがその資産にアクセスできる状態。
この「可視化」と「透明化」の両輪が回ることで、「必要な情報が必要な人に、正しく行き渡る環境」が実現しました。 状況を即座に把握できることは、メンバーの迷いをなくし、組織全体のスピードを加速させる大きな原動力となっています。
3. 現場ノウハウの資産化
個人が持っている知識や経験は、共有し他のメンバーが活用できる状態になって初めて会社の「資産」になります。弊社では、商談の進め方や技術的なトラブル解決策を積極的にノウハウ化しています 。これにより、新しいメンバーが入った際の教育コストが下がり、組織全体の技術力が底上げされるメリットを実感しています。
知っておきたい情報共有のデメリットと注意すべき落とし穴
一方で、情報共有を「量」だけで捉えると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。私が過去に失敗した経験も含め、注意すべきデメリットを挙げます。

1. 情報過多による「通知疲れ」と集中力の低下
「全員に全てを共有する」というルールは、一見正解に見えますが、実際には業務中の通知が止まらなくなり、思考が中断されるデメリットを生みます。私が営業担当だった頃、日々流れてくる膨大な案件情報に追われ、本来注力すべきお客様への連絡が後手に回ってしまいそうになったことがありました。必要な人に、必要なタイミングで届けるという「情報の整理」が不可欠です。
そして、過去に比べて現在はさらに情報過多になっていると強く感じています。特にSlackの導入などで情報がオープンになったことで、もちろん必要なチャネルに参加・招待されてはいますが、情報量が以前より格段に増えたのは確かです。そのため、全てを即時確認することは非常に困難です。
これに対処するためには、時間を決めて、
「アクティビティ」 → 「スレッド」 → 「未読メッセージ」 の順で確認したり、
「Slackbot」(SlackのAIエージェント)を活用して返事ができていないものを一覧化したりするなど、
優先順位をつけ、確認漏れが無いような具体的な対策を講じることも必要です。
2. 情報の鮮度低下によるミス
Excel(エクセル)やスプレッドシートなどで情報を共有している場合によく起こるのが、古いデータが放置される問題です 。どれが最新か判断できない状態は、誤った判断を招く恐れがあります。弊社でもかつて、各自が使い勝手の良いExcelを自分用に変更して活用していたため、情報の不一致が起きたことがありました 。現在は「情報の出口」を一箇所に絞り、常に最新の状態を保つ仕組みを重要視しています。
3. 心理的ハードルによる発信の減少
「こんな些細なことを共有しても良いのだろうか?」「間違っていたらどうしよう」という不安は、共有文化の最大の敵です。デメリットを恐れて発信が止まってしまうと、現場で起きている本当の課題が上層部まで届かなくなってしまいます。
組織を激変させる!情報共有ツールの正しい使い方
メリットを最大化し、デメリットを最小限に抑えるためには、ツールの「使い分け」が鍵となります。弊社で実践している3つのポイントをご紹介します。
①ツールの役割分担を明確にする
弊社では以下のように使い分けています。
| ツール名 | 主な役割と具体的な活用シーン |
|---|---|
| Slack (スラック) |
気軽に全社員とコミュニケーションを図る場
|
| Salesforce (セールスフォース) |
取引先・商談・売上などの一元管理
|
| KnowhowBase (ノウハウベース) |
蓄積すべき成功事例、失敗から学んだ経験や体験
|
このように「どこを見れば何があるか」を定義するだけで、情報を探す手間と時間は格段に減ります。
▼Slackのお気に入りポイント
特にSlackについて気に入っているのは、技術的な質問だけでなく「お菓子コーナーにお土産があります!」といった気軽な投稿です。こうした一見業務に関係ないやり取りが、部署の垣根を越えた話しやすい空気を作り、結果として「困ったときにすぐ相談できる」土壌を育んでいます。
②リアクション機能で「受け取り」を表明する
全てのメッセージに文章で返信する必要はありません。例えばSlackではスタンプ一つで「確認しました」「ありがとうございます」を伝える習慣をつけることで、発信者は安心し、受け手の負担も軽減されます。これが先ほどのデメリットで挙げた『心理的ハードル』を下げる一番の特効薬です。これは小さなことのようですが、共有文化を定着させる上で非常に効果的な使い方です。
③「失敗談」こそ価値ある情報として共有する
成功した話よりも、実は「失敗した話」の方が組織にとっては有益です。「同じミスを繰り返さない」というルールを徹底し、教訓を『ノウハウ』としてKnowhowBaseに残す。このサイクルが回るようになると、組織の防御力は格段に高まります。
例えば、プロジェクトで起きた設定ミスや苦労した内容をKnowhowBaseに「〇〇の時はここに注意!」と一言残すだけで、次に担当する人が同じ落とし穴に落ちずに済みます。
まとめ
「情報共有のメリット・デメリット」と題して、弊社の20年の変遷と共にお伝えしてきました。私自身、入社当時からは想像もできないほど便利な環境になりましたが、本質は変わりません。情報共有は、「次にその情報を必要とする仲間を助けるためのバトン」です。
メリットを活かし、デメリットを仕組みで補完することで、組織はもっと強く、もっと明るくなれると確信しています。
もし、貴社において「情報が散乱している」「Salesforceを入れたけれど活用が進まない」といったお悩みがあれば、ぜひ弊社のKnowhowBase(ノウハウベース)をご検討ください 。Salesforce上の情報を、誰もが活用できる「生きたノウハウ」に変えるお手伝いをいたします 。
弊社自身も、この課題を乗り越えるためにKnowhowBaseを活用し、知識の資産化を実現しています。 Salesforceノウハウ共有ツール「KnowhowBase」は‘ノウハウを作る、探す、活用する’をコンセプトに、Salesforceプラットフォーム上で利用できる便利な機能をご提供しています。また、「Salesforce導入サービス」 「Salesforce伴走・開発支援サービス」により、Salesforceを新規導入される方、Salesforceの定着・活用や運用保守・開発を要望される方に合ったサービスもご提案しております。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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