Salesforceの関連リストで一括編集!リストエディターを活用しよう

Salesforceを日ごろからご利用されている方であれば、関連リストの便利さを実感されていることと思います。
しかし、その一方で「関連リスト上で複数のレコードを一括で編集出来たら、もっと業務がはかどるのに…」と、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
日々の業務において大量のデータを扱う際、レコードを一つ開いては変更し、保存するという一連の作業を繰り返すことに、想像以上に多くの時間と労力が費やされているのが現状です。
特に営業活動における商談のフェーズ更新や、カスタマーサポート業務でのケースステータス変更など、定型的な更新作業が頻繁に発生する場面では、この個別編集の非効率性が大きな課題となり、生産性を低下させる要因となっていました。
まさに、そうした皆様の願いを叶え、日々の業務に革新をもたらすのがList Editor (リストエディター)です。
本記事では、この画期的なツールであるリストエディターの具体的な使い方をご紹介します。
導入によって皆様の業務がどれほど効率的になるのかを、具体的な検証結果を交えながら詳しく解説していきます。
従来の関連リストの編集はここが不便だった!
従来のSalesforceの関連リストでは、以下のような不便さがありました。
- レコードを一つひとつ開いて編集する必要がある
- 一括編集ができないため、件数が多いと作業負担が大きい
たとえば、「取引先」レコードに紐づいた「商談」を修正したい場合、それぞれのレコードを個別に開いて編集・保存しなければならず、10件、20件と増えるにつれて作業効率がどんどん低下していました。
そんな不満を解消するのがリストエディターです。
SalesforceのList Editor (リストエディター)とは?概要をチェック
List Editor (リストエディター)とは、Salesforceにおける入力作業を快適にする、無償のAppExchangeツールです。
このツールは、従来の関連リストが持つ利便性はそのままに、さらに進化した形でレコード操作を提供します。具体的には、レコードが一覧性の高いリスト形式で表示されるほか、編集モードに切り替えることで各レコードを個別に開くことなく、その場で一括編集を行うことが可能になります。
リストエディターの見た目
編集モード
このツールが提供する主な機能は以下の通りです。
- 複数レコードの一括編集が可能
- レコードのコピー&削除が容易
- デザインなどのカスタマイズ性
ユーザーは、まるでExcelを操作するように、複数のレコードを連続して編集することができるため、操作のストレスが格段に軽減されます。
さっそくリストエディターをインストールしてみよう!
それでは、リストエディターをインストールして、Salesforceの画面に配置するまでの流れを解説していきます。
インストール方法
AppExchangeにアクセスし、「Get It Now」をクリックします。
>https://appexchange.salesforce.com/appxListingDetail?listingId=a0N4V00000Fz2VxUAJ
アクセスを許可します。
Salesforce環境を選択し、「Install in Production」をクリックします。
規約同意にチェックし、「Confirm and Install」をクリックします。
「すべてのユーザーのインストール」を選択し、インストールをクリックします。
インストールが完了したら、「完了」をクリックします。
リストエディターの表示方法
今回は、例として取引先レコードページから商談を一括編集できるように設定します。
取引先オブジェクトを開いて、画面右上部の歯車マークから「ページを編集」をクリックします。
左側のコンポーネント欄にある「List Editor」コンポーネントを表示させたい場所へドラッグ&ドロップします。
コンポーネントを配置すると、画面右側に制御メニューが表示されます。
「Object Api Name」に商談のオブジェクトApi名である『Opportunity』を入力し、「保存」をクリックします。
以下のように取引先レコードに商談のリストが表示されました。
リストエディターを活用しよう!
それでは、リストエディターを実際にどのように活用するのか、主要な機能と操作方法を見ていきましょう。
レコードの一括編集
リストエディターの最も強力な機能の一つが、複数のレコードを一度に編集できる「一括編集」です。これまでレコードを一つずつ開いていた作業が大幅に短縮されます。
今回は、すべての商談の完了予定日を編集していきます。
右上部にある「鉛筆マーク」ボタンをクリックし、編集モードに切り替えます。
3つのレコードの完了予定日をすべて月末(2025/08/31)に変更します。
編集が完了したら、「保存」をクリックします。
従来の関連リストでは、各レコードを開いて編集する必要がありましたが、今回はすべてのレコードを一度に素早く編集できました。
レコードの一括削除
次に「一括削除」です。
不要になったレコードは、リストエディターを使えばまとめて削除できます。
編集モードから、不要なレコードの「ごみ箱」ボタンをクリックします。
削除が完了したら、「保存」をクリックします。
従来の関連リストでは、レコードごとに毎回削除ボタンを押下する手間が発生していましたが、今回は容易に削除できました。
レコードのコピー
既存のレコードのデータを活用して、新しいレコードを効率的に作成することも可能です。
編集モードから、コピー対象のレコードのコピーボタンをクリックします。
2、3行目にレコードが追加されました。任意で項目を編集し、保存ボタンをクリックします。
従来の関連リストでは、各レコードを開いてコピーする必要がありました。しかし、今回は容易にレコードをコピーできました。
カスタマイズでさらに使いやすく
制御項目の設定
以下のような設定で、レコードの編集、作成、検索などの操作を制御できます。
・「Do not allow editing」 … 「鉛筆マーク」ボタンが非表示になり、リストエディターからの一括編集を制限
・「Do not allow new creation」 … 「新規」ボタンが非表示になり、リストエディターからの新規作成を制限
・「Do not allow reload」 … 「リロード」ボタンが非表示になり、リストエディターのリロードを制限
・「Do not allow text search」 … 「検索欄」が非表示になり、リストエディターでレコードの検索を制限
・「Do not allow record actions」 … 「▼」ボタンが非表示となり、リストエディターの編集、削除アクションなどを制限
・「Do not allow deletion on the edit」 … 編集モード画面の「削除」ボタンが非表示になり、一括削除を制限
表示レイアウトの最適化
リストに表示される項目やその順序は、設定で柔軟にカスタマイズできます。リストエディターの背景色を変えるなどのデザイン設定も可能です。
・Heading Background color … ヘッダーの背景色
・Heading text color … ヘッダーの文字色
・Even row background color … 列の背景色
・Icon color … アイコンのマークの色
・Icon background color … アイコンの背景色 など…
リストエディターと関連リストの編集スピードを比べてみた!
ここまでリストエディターの機能をご紹介してきましたが、実際のところ、どれくらい作業が速くなるのでしょうか?
ここでは、たった3件のレコードを編集するという、シンプルなタスクを例に、従来の関連リストでの編集と、リストエディターでの編集にかかる時間を比較してみました。
検証
「取引先」レコードに紐づく3件の「商談」のフェーズをClosed Wonに変更する
関連リストで編集する場合
以下のような手順と時間が発生します。
1.関連リストの商談名「商談1」の▽ボタンから、編集をクリックし、編集画面を開く
2.フェーズを「Closed Won」に変更
3.保存をクリック
4.関連リストの商談名「商談2」の▽ボタンから、編集をクリック、編集画面を開く
5.フェーズを「Closed Won」に変更
6.保存をクリック
7.関連リストの商談名「商談3」の▽ボタンから、編集をクリック、編集画面を開く
8.フェーズを「Closed Won」に変更
9.保存をクリック
開始時
終了時
(計測結果)この一連の作業で、約28秒の時間がかかりました。
リストエディターで編集する場合
次にリストエディターを活用して同じ3件のレコードを編集してみましょう。
1.リストエディターの右上部の鉛筆マークボタンをクリックし、編集モードに切り替える
2.商談名「商談1~3」のフェーズをClosed Wonに変更
3.3件すべての変更が終わったら、最後に一度だけ保存ボタンをクリック
開始時
終了時
(計測結果)この一連の作業で、約7秒の時間しかかかりませんでした。
比較結果
圧倒的な時間短縮!
上記の簡単な比較だけでも、リストエディターがどれほど効率的か一目瞭然です。
従来の関連リスト:約28秒
リストエディター: 約7秒
わずか3件のレコード編集で、約4倍もの時間短縮が実現しました。この差は、編集するレコードが10、50、100件と増えれば増えるほど、広がっていきます。
まとめ
List Editor(リストエディター)により、データ編集を大幅に効率化できることがわかりました。従来の「面倒な個別編集」から、「効率的な一括操作」へ。これは単なる作業時間の短縮に留まらず、ヒューマンエラーのリスク軽減や、データの鮮度向上にも貢献します。
もしかしたら、「新しいツールを導入するのは手間がかかるのではないか」「操作が複雑なのでは」と懸念される方もいるかもしれません。しかし、本記事でご紹介した通り、インストールから設定、基本的な操作は非常にシンプルかつ直感的に設計されています。Excelのような操作感は、Salesforce初心者の方でもすぐに馴染めるでしょう。
また、無償のAppExchangeツールであるため、手軽に導入でき、すぐにその効果を実感できる点が、リストエディターの大きな魅力です。
このリストエディターは、日々のデータ更新作業に多くの時間と手間を費やし、非効率に悩まされている組織やユーザーに特におすすめしたいツールです。
まだ使っていないという方は、ぜひこの機会に導入・活用を検討してみてください。あなたの業務が、もっと速く・もっと正確に変わるかもしれません。
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