Salesforceデータ連携ツール、おすすめ3選!

一つの業務に必要なデータが複数のシステムにまたがっていて、データ分析といった業務が煩雑になっているという状況が皆様の会社にもありませんか?また、Salesforceと他のシステムを連携させたいと思っても、選択肢が多く選べないという悩みはないでしょうか。この記事では、Salesforceで使えるデータ連携と、それぞれの特徴をご紹介いたします。
そもそもデータ連携とは?
データ連携とは、異なるアプリケーションやシステム、データソースなどの間でデータをつなぐ仕組みやプロセスのことです。
例えば、ECサイトから注文を受けた際、その注文データをMySQLなどのデータベースに保管していたとします。このデータをSalesforceなどのCRMで使いたいと思ったとき、そのままではデータベースにアクセスできません。そのため、データ連携ツールなどを使ってシステム間を橋渡しする必要があります。
しかし、Salesforceと他のシステムを連携すると、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
Salesforceと外部サービスをデータ連携するメリット
では、Salesforceと外部サービスをデータ連携するメリットをご紹介していきましょう。
必要な情報をすぐに手に入れられる
ある一人の顧客に関する情報が欲しい場合を例にとってみましょう。複数の独立したシステムでデータが管理されている場合、必要なデータが管理されている各システムにアクセスしてそれぞれ参照しなければなりません。しかし、データ連携がされていると、CRMにログインするだけでその顧客に関する全てのデータにアクセスすることが可能になります。
データ転記作業の削減
今まで同じデータを複数のシステムに転記していた場合も、その必要がなくなります。このことによって作業時間が削減できるだけでなく、重複や誤入力などのリスクが格段に減ります。
情報をデータ分析に活用できる
今まで一緒に取り扱うことが手間だったシステム間のデータを使った、素早い分析がCRM上で可能になります。そのため、各部門でそれぞれ取り扱っていた状況を把握しやすくなり、現状に即した経営判断を下すことができるでしょう。つまり、データ連携を行うことで、全社的な業務最適化を図ることもできるのです。
Salesforceのデータ連携方法は大きく分けて4つ
Salesforceでデータ連携するには様々な手段がありますが、大きく分けると以下の4つになります。
- Data Loader
- API開発
- データ連携ツール(EAI/ETL)
- データ連携クラウドサービス(iPaaS)
それぞれの概要を見ていきましょう。
Data Loader
データローダ―は、データを一括でインポート・エクスポートができるアプリです。このアプリの強みはSalesforceが提供しており、無償で利用できることです。
データ連携ツールとして使うには、
- 連携元のデータをCSVファイルでエクスポートし、データローダ―でインポートしてSalesforceにデータを集める。
- SalesforceのデータをCSVファイルでエクスポートし、連携先にインポートする。
の2パターンの使い方が可能です。ファイルのインポート・エクスポートは手動でもできますが、Windows版ならバッチファイルから呼び出せるため、定期的に自動でデータ連携することもできます。
データローダ―の機能や使い方についてもっと知りたい!という場合は、こちらの記事から詳しく見ることができます。
API開発
APIとは、異なるシステム間で情報をやり取りするための窓口のようなものです。Salesforceに限らず、APIの利用はシステム間で連携を行う方法として一般的なものです。この後にご紹介するデータ連携ツールでも、各システムに繋ぐための仕組みはAPI接続をベースとしていることが多いです。
API開発では、Salesforce及び連携したいシステムのAPIや、実装したい要件などに合わせたプログラムをオーダーメイド的に開発します。
開発には高度なプログラミング知識や技術が不可欠であるため導入コストが高くなりやすいです。また、その後の運用・保守でも専門知識のある人材が必要になることがあります。一方で、自社の要件に合わせて柔軟な機能拡張が行えることが大きな強みです。複雑なビジネスロジックや、即時性の高いデータ活用が求められる場合に適しています。
データ連携ツール(EAI/ETL)
EAIとは、企業内で使用される複数の異なるシステムを連携させ、各々のデータやプロセスを効率的に統合する仕組みおよびそのシステムです。
一方、ETLとは、社内外に分散するデータソースから必要なデータを抽出し、扱いやすいフォーマットに変換して、データウェアハウスなどのストレージに書き出すツールです。
いずれも、ノーコードまたはローコードで使える製品が多数あります。また、オーダーメイドで開発するよりも比較的低コストで素早く導入できます。ただし、買い切りではなく従量課金制などの料金形態をとっている製品が多いので、ランニングコストには注意が必要です。
データ連携クラウドサービス(iPaaS)
iPaaSは、複数のクラウドサービスやオンプレミスサーバーなどで管理されている独立化したデータを、一元的に連携することができます。
iPaaS自身もクラウドサービスですので、導入時にサーバーやインフラ環境の整備は必要なく、契約後すぐに使用できます。また、利用を終了するサービスとの連携を切りたい、新しく利用を始めるアプリと接続したい、といった時にも素早く対応できます。
Salesforceデータ連携ツール、おすすめ3選!
Salesforceのデータ連携方法には様々な種類があることがお分かりいただけたかと思います。ここからは、特におすすめするデータ連携ツールをご紹介します。
Data Cloud
Data Cloudは、Salesforceが提供するデータ統合ソリューションです。
データベース・データレイク・データウェアハウスやWebアプリケーションなど様々なデータソースから、外部データをSalesforceに簡単に取り込むことができます。
外部サービスのデータを使用してSalesforceやAgentforceの機能を最大限活かしたい場合に適しています。
Heroku Connect
Herokuとは、Salesforceが提供するクラウド上のプラットフォームサービス(PaaS)です。専用のサーバーを手軽に作成し、用意されたツールでアプリケーションの管理を行えます。オーダーメイドで開発したWebアプリケーションをホストするほか、そのWebアプリケーションのAPIを公開する際にも使用します。
Heroku ConnectはHerokuで使える追加機能で、Salesforceと Heroku Postgres(Heroku上で利用できるデータベース)の間でデータを同期することができます。
これらを利用することで、Salesforceのデータを別のシステムから利用することができます。しかも、この設定はマウス操作で簡単に行うことができます。他にも、CRMに限らず多くのSalesforce製品がHeroku Postgresとシームレスに繋げることができる、PaaSであるためインフラの構築や設定、管理のコストが抑えられる、といったメリットもあります。
HerokuやHeroku Connectについてもっと知りたい!という場合は、こちらの記事で詳しく紹介されていますので、ぜひ読んでみてください。
CData Arc
CData Arcは、CData Softwareが提供する連携プラットフォームです。様々なシステムのデータと機能を連携させた業務自動化フローを作ることができます。
CData Arcは連携できるシステムの種類がとても多いのが一番の強みです。また、ノーコードで業務自動化フローを設定可能です。テンプレートも提供されているので、それを参考にフローを作成することもできます。
CData Softwareの製品には他にも種類があり、様々な形態のデータ連携を実現可能です。一部の製品については、以下の記事で詳しく紹介されていますので、ぜひ読んでみてください。
まとめ
「Salesforceデータ連携ツール、おすすめ3選!」と題してご紹介しました。Salesforceと外部サービスをデータ連携することによるメリットや、実際に利用できる手法などについてご理解いただけたでしょうか?
受験戦争からクリスマス商戦、スポーツに至るまで、人間社会に組み込まれたあらゆる競争を制する鍵が『情報戦』と明言されるようになってから随分と経ちました。システム間のデータ連携を行うことで、複数のシステムに散らばった情報を使う業務が効率化されるだけでなく、社内のあらゆるデータを分析に活用することができるようになり、クリティカルな経営判断や業務最適化が可能になります。しかし、データ連携の手法やツールは非常に多くの種類が登場しており、比較検討が大変なのが現状かと思います。本記事が皆様のご参考になれば幸いです。
株式会社日本システムデザインは、Salesforceなどのクラウドサービスを用いたシステム構築、サービス開発を行っているほか、データ連携やデータ活用の実現に向けたご提案、システム構築・開発も承ります。
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