Salesforceでインセンティブ管理
あなたの会社はどのような給与形態で給与が支払われていますか?
基本給に諸手当が加わる形、基本給に歩合が上乗せされる形、あるいはフルコミッションなど、給与形態にはさまざまなパターンがあります。
もしあなたの会社で歩合制度(別名:インセンティブ、コミッション)を検討もしくは採用されている場合、本記事をぜひご一読いただければと思います。
「歩合」「インセンティブ」「コミッション」……
この言葉を聞いて、「営業成績に応じて給与が増える仕組み」を思い浮かべるでしょう。
しかし、その裏側で複雑なインセンティブ計算や管理のプロセスが存在することは、意外と知られていません。
本記事では、インセンティブ計算の組み方や、企業が直面する課題、そしてそれらを解決する「Salesforce Spiff」の役割についてご紹介いたします。
営業とインセンティブ
保険会社、不動産会社、その他サービス業など、多くの業種で「営業」という業務が発生します。
そしてこの「営業」を生業としているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。
営業職の方の給与形態には、大きく分けて以下の2パターンが存在します。
基本給+歩合のパターンと、フルコミッションのパターンです。
基本給+歩合の給与形態を採用されている会社様は多いかと思います。対して、フルコミッションの給与形態を採用されている会社様はさほど多くない一方で、歩合率が高い傾向にあるため、より稼ぐ金額は大きくなるでしょう。
以下では、それぞれの給与形態の主な違いを説明いたします。一般的にはまず「基本給+歩合」の形を採用している場合、パターンでは、歩合率はおおよそ3~20%程度が一般的です。社員の育成環境が整っており、チームで行動する体制が整備されているのが特徴です。また、多くの企業では個人またはチーム単位でノルマが設定されています。
一方で、「フルコミッション」の場合は、歩合率が30~50%程度と比較的高めに設定されています。その反面、育成制度やサポート体制はあまり重視されない傾向があり、即戦力として活躍できる経験者が優遇されやすい点が特徴です。こうした環境では、個々が独立して業務に取り組むケースが多く、個人事業主に近い働き方になる傾向があります。

基本的なインセンティブ計算
基本的なインセンティブ計算は、レートベースとティアベースの2つに分けられます。
以下にそれぞれの違いをご紹介します。
レートベース
これは最も単純なインセンティブ計算の方法で、成果に対してあらかじめ決められた固定のレートを乗じる方法です。
例)売上の5%をインセンティブとして支給。100万円の商談を成立させた場合、営業担当者には5万円が支給されます。
シンプルで分かりやすい反面、細やかな評価が難しいという側面があります。

ティアベース
売上や目標達成率に応じて、インセンティブのレートが変動する仕組みです。
段階的に支給率のレートが上昇することで、社員がさらに高い目標を達成するためのモチベーションになります。
例)売上100万円まで:3%
100万円~200万円:5%
200万円以上:7%
このティアベースのインセンティブは、営業担当者の生産性を高めるのに有効です。

インセンティブ計算の実用例
営業担当者ごとにノルマを設定し、ノルマの達成率に応じてインセンティブを支払う仕組みを採用されている会社様も多いのではないでしょうか。
ノルマ達成率に応じたインセンティブ計算の例をいくつかご紹介します。
営業担当者ごとのノルマ設定
営業担当者一人ひとりにノルマを設定し、インセンティブ計算を行う仕組みです。
ノルマ達成者にのみ売上のx%を支給する、ノルマ達成率に応じてレートを変動して支給するなど、様々な計算方法があります。

チームインセンティブ
営業担当者をチーム分けし、チームごとにノルマを設定します。チーム全体のノルマ達成度に応じてインセンティブを支給する方法です。
これにより、チーム内での協力体制を促進し、営業スキルや知識など、若手に必要なノウハウを自然と共有できます。

戦略的インセンティブ
新規顧客の獲得、特定製品の販売、複数年契約など、企業が特に力を入れたい分野の成果に対して、特別なインセンティブを設けることもあります。

企業が直面するインセンティブ管理の課題
これまで、インセンティブ制度の例についていくつかご紹介させていただきました。それでは、その裏側の管理方法はどうなっているのでしょうか……
実は多くの企業様が、インセンティブ計算の複雑さから、さまざまな課題に直面しています。
手作業による非効率とエラー
営業チームのインセンティブ管理にGoogleスプレッドシートやExcelを使い、手入力されている会社は多いのではないでしょうか。
これはシンプルに見えますが、データ入力ミス、計算式の誤り、バージョン管理の混乱など、多くの人為的なエラーを引き起こす原因になります。
特に従業員が多かったり、インセンティブ計算のロジックが複雑だったりすると、手作業によるインセンティブ計算は膨大な時間と労力を消費します。

透明性の欠如
お客様の会社では、営業担当者が「この商談をクローズしたらいくらもらえるのか?」正確に把握できているでしょうか。営業担当者は、自分が今どれだけのインセンティブを獲得しているのか、そしてノルマ達成まであとどれくらいなのか、常に把握したいと思っています。
しかし、手作業の計算では営業担当者にリアルタイムでインセンティブ額を表示することは非常に困難です。
インセンティブ計算の透明性の欠如は、営業担当者が「自分の成果が正当に評価されているのだろうか?」と経理への不信感を抱くことにもなりかねません。

経営戦略との乖離
インセンティブ計算は本来、企業の経営戦略と密接に連携している必要があります。消費者のニーズが変化に合わせたり、
ノルマもこまめに更新したりする必要があるからです。
しかし、複雑なインセンティブ計算のルールを見直す作業は非常に手間がかかります。そのため、一度作成したインセンティブ計算のルールが何年も更新されないまま、市場の変化や経営戦略と乖離してしまうケースも少なくありません。

では、これらの企業が抱える課題は、どうのように解決できるのでしょうか。その答えの一つが、SalesforceとSpiffの連携です。Salesforceはクラウド型のCRMプラットフォームで、営業活動や顧客情報を一元管理できるツールです。一方のSpiffは、インセンティブの計算や可視化を自動化するソリューションで、煩雑になりがちなインセンティブ管理を効率化します。Spiffは2024年にSalesforceに買収され、Salesforce製品(Salesforce Spiff)となりました。
Salesforceでインセンティブをシステム管理する
Salesforceを導入し、Spiffと連携することで、インセンティブ計算の自動化、透明性のあるインセンティブ管理、柔軟なインセンティブ計算の作成が可能です。
インセンティブ計算の自動化
Salesforce Spiffを導入することで、これまで手作業で計算していたインセンティブ計算を自動化できます。
Salesforceに入力した商談もしくは見積のデータを取り込み、あなたお客様の会社独自のインセンティブ計算が可能になるのです。これにより手作業による入力ミスや、管理に要する時間を削減します。
透明性のあるインセンティブ管理
Salesforce Spiffの最大の強みは、リアルタイムによる可視化です。営業担当者は、Salesforceにデータ入力後、この商談をクローズしたらいくらもらえるのか、ひと目で確認できます。
これにより、経営陣に対する不信感を取り除くだけでなく、営業担当者のモチベーション、エンゲージメント向上が期待できます。
柔軟なインセンティブ計算
スプレッドシート、Excelで使用していた複雑な計算も、Salesforce Spiffでは同等またはそれ以上に柔軟なインセンティブ計算を実現できます。
Salesforce Spiffは、ノーコード、ローコードでのインセンティブ計算が可能であり、専門的な知識がなくても柔軟な設計が可能です。
まとめ
インセンティブ制度は、企業と従業員の成長を両立させるための重要な仕組みです。しかし、その複雑な計算と管理は、多くの企業にとって大きな課題となっていました。
Salesforce Spiffのようなコミッション管理ソリューションは、この課題を根本から解決し、インセンティブ計算を自動化、可視化、そして柔軟化します。
Salesforce Spiffは、企業が抱える課題を解決するための欠かせないツールと言えるでしょう。まずは、Salesforceでデータの管理、活用から始めてみてはいかがでしょうか。
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